シギ・チドリ類について


地味な鳥だと言われるシギ・チドリ類だが多くの種が地味な冬羽から鮮やかな夏羽に変身する。
夏羽・冬羽の羽色の差が他のチドリ目(カモメ亜目、ウミスズメ亜目)に比べ大きい。

シギ、チドリの仲間は同じような生息環境を好み、
生態や行動が似ていることから纏めてシギ・チドリ類(シギ・チ)と呼ばれています。

シギ・チドリ類は全世界で約216種いるそうです。日本では78種が記録されています。

シギ・.チドリの多くは「渡り鳥」で季節によって繁殖地と越冬地を移動する。
三重県中部の湿地に渡来してくるシギ・チドリ類の多くは

シベリアやアラスカで繁殖し日本や韓国、中国、などを中継して
越冬地である東南アジアやオーストラリア、ニュージランドなどに渡る。

国内で記録された78種のうち繁殖があるのは13種。

シギ科ではアカアシシギ、イソシギ、ヤマシギ、アマミヤマシギ、オオジシギの5種。
チドリ科ではコチドリ、イカルチドリ、シロチドリ、ケリ、タゲリの5種。
他にセイタカシギ(セイタカシギ科)、タマシギ(タマシギ科)、ツバメチドリ(ツバメチドリ科)が繁殖する。

シギの仲間は嘴と脚が長目のものが多くスマートな体形が多い。
シギ科の鳥は嘴が軟質で柔らかく種により長さや形状の変化が大きい。
一方チドリの仲間は嘴が太く短くずんぐりとした体形が多く眼も大きい。

餌を採る動作にもシギとチドリには相違がみられる。
チドリは餌を採ると頭を上げて数メートル走り立ち止まってまた餌を捕るという動作を繰りかえす。
頭を下げたままで餌を捕るシギとは捕食動作が異なります。

シギ・チドリ類の多くは北極圏に近い高緯度地域のツンドラや湿原で5月下旬〜7月中旬にかけて繁殖し、
中緯度地域の湿地(三重の干潟もその一つ)で休息して、越冬地の赤道付近から南半球に渡る(秋の渡り)
春になると繁殖のため、こんどは南の越冬地から北の繁殖地まで渡りを行う(春の渡り)

繁殖地:繁殖する地域(卵を産み育雛する地)
中継地:渡りの途中に立ち寄る地域(栄養補給・休息する地)
越冬地:冬を過ごす地域(北半球が冬の間、寒さを避けて過ごす温暖な地)
夏鳥:春に南の地域から渡ってきて繁殖し秋になると南の地域で越冬する。
    シロチドリは留鳥として当地で繁殖もあるが夏鳥として繁殖に渡ってくるものもある。
冬鳥:北の地域で繁殖し秋に渡ってきて越冬する。
    ハマシギはアラスカなどで繁殖し日本には旅鳥、冬鳥として渡来する。三重でも多くが越冬する。


 雲出川河口海岸堤防の看板 シギ・チドリ類の飛来ルート図


津市近郊で繁殖するシギ・チドリ類

三重県中勢地区で繁殖を確認し雛を撮影出来たシギ・チドリ類は
ケリ、コチドリ、シロチドリ、イカルチドリ、タマシギ、セイタカシギの6種です。

他にツバメチドリの繁殖が見られており、
イソシギが繁殖している可能性も大きいと思われます。
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A
B
C
D
E

@ケリ Aコチドリ Bシロチドリ Cイカルチドリ Dタマシギ Eセイタカシギ


チドリ目とは
チドリ科、シギ科、レンカク科、タマシギ科、ミヤコドリ科、セイタカシギ科、ヒレアシシギ科、ツバメチドリ科、
トウゾクカモメ科、カモメ科、ウミスズメ科

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