シギ・チドリ類の換羽
セイタカシギ シロチドリ
スズメ目のような一部の鳥をのぞいて、
多くの鳥が生まれた時からやわらかい綿状の羽に覆われている。

シギ・チドリの雛も生まれた時は綿羽(幼綿羽)に覆われ、
約1ヵ月ほどで成鳥と同じ作りの羽「幼羽」が全身を覆う。

幼羽は成鳥羽(特に冬羽)とよく似ている場合もあるが、
サブターミナルバンドがあったり、軸斑の褐色味が強かったり、
成鳥羽に比べ羽先が尖っていたり、羽が小さかったり、
仔細に観察するとそれぞれの種がいろいろ幼羽の特徴を持っている。
また、幼羽は成鳥羽に比べるとやわらかいのか摩耗が早い。

春から初夏にかけて生まれた雛は約1ヶ月後、幼羽に換わり、
秋になると1回目の換羽を行う。幼羽より丈夫な成鳥羽とほぼ同質の羽に変わる。

この始めて(1回目)の換羽では全ての羽を換羽せず、
雨覆や風切、尾羽などが部分的に換羽せず残る。これが第1回冬羽。

第1回冬羽の換羽を終え冬を過ごした若鳥は2度目の換羽を春に行う、これが第1回夏羽。
第1回夏羽も第1回冬羽と同様一部の羽を換羽しない部分換羽。

部分換羽の部位は種によって異なったり、個体によって異なったりする。
部分換羽という言葉からは一部の部位だけ換羽して、他は換羽しないと読んでしまいます。

多くのシギ・チドリ類の部分換羽では雨覆、風切、尾羽に古い羽を残しますが
それらもも全く換羽しないというのでなく、部分的に換羽する。
換羽の幅は種による異なりもあり個体差もある。

幼羽から第1回冬羽と第1回夏羽までの2度の部分換羽を終えた若鳥が
夏を過ごし秋を迎えると生まれて3度目の換羽行う。これが第2回冬羽。
第2回冬羽では全ての羽が生え換わる完全換羽。

翌年の春、第2回夏羽に換羽(部分換羽)し、
秋になると第3回冬羽(完全換羽)に換羽する。

成鳥は1年に一度、秋に完全換羽し、春に部分換羽する。
生涯これを繰りかえしていくことになる。、

換羽の時期は春も秋も、種による差が見られ、
同種でも個体により換羽時期に1-2ヶ月の差が見られる。




幼羽、冬羽、夏羽の特徴(羽模様)を頭に入れ、
幼羽が残っているか、成鳥羽が残っているか、擦れの程度は
等々でステージ識別を試みます・・・・

幼羽が擦れてくると幼羽の特徴が分かりづらくなるうえに、
冬の後半から春先にになると成鳥の羽も摩耗が進む。
もっとも、ステージ識別の難しい時期となる。

そんなとき、識別の手掛かりを以下に求めます。
1、幼羽は成鳥羽より丈夫さで劣り摩耗が早い、
冬の同時期なら幼羽の擦れは成鳥の擦れより酷くなる。

2、第1回冬羽は部分換羽、成鳥冬羽は完全換羽、
成鳥冬羽は全ての羽を同時期に換羽してるため、
上面各羽の擦れにはばらつきがなくほぼ平均して摩耗する。

3、第1回冬羽は雨覆や三列など換羽しなかった幼羽の摩耗が目立ち、
背や肩羽など換羽した冬羽と摩耗差が出る。

科学的な分析なしに、ステージ識別を外見からの見た目で行う以上、、
完全な判断などあり得ないのではないかと思います。

[注]
識別のプロや玄人のお人なら100%正確なステージ識別が出来るのかも知れない?
私はシギ・チドリ類の換羽に関心があってもステージ識別は初級者の域です。
間違いも多々あると思われます。書いたことを鵜呑みにしないでくださいませ。

↑に戻る