シロチドリ 成鳥冬羽(9月) ー成鳥と幼鳥ー

幼羽の羽縁はバフ色という固定観念があると成鳥冬羽との判断を難しくします。
確かに幼羽の羽縁はバフ色で間違いないのですが、
成鳥の新羽にも白色あるいはバフ色に見える羽縁が現れます。
バフ色とは便利な言葉で淡色、淡褐色、淡黄褐色を言うのだと思います。

1枚目の左は肩羽にサブターミナルバンドが見える羽があり幼鳥です。
右の成鳥冬羽は左の幼鳥と同じように羽縁がバフ色に見えます。

9月に撮影した多くに同じようなバフ色に見える羽縁があり
成鳥は撮れていないのか、幼鳥ばかりなのかと思っていましたが、
近郊に生息するシロチドリが幼鳥ばかりということはあり得ません。

幼鳥より成鳥の方が多いはず。
なにか変だと思い見直してみると幼鳥ではと思った多くが成鳥でした。

写真を照らし合わせてみると、
幼鳥の方が成鳥冬羽より上面の羽が小さく、羽縁がはっきりしています。
三列風切の羽縁もはっきりとしています。
前頭の黒色が成鳥冬羽の方が目立ちますがそれは右の成鳥が♂だからです。

幼鳥と成鳥冬羽は似ており、
バフ色の羽縁が見えるから幼羽と決めつけてははいけないのです。
9月は幼羽も新しく、冬羽も新しいので摩耗差での判断はできません。

淡色(バフ色)の羽縁は幼羽だけでなく、
フレッシュな成鳥冬羽にも成鳥夏羽にも出るので識別する際の紛らわしさとなり、
シロチドリの年代識別を他種よりいっそう難しくしています。

撮影:2007.09.22-2013.09.16、2015.09.19
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幼羽と成鳥冬羽

頭部と背の褐色部が分離し後頸が白いのがシロチドリの特徴ですが
野外では画像のように後頸が見えない時は
メダイチドリやオオメダイチドリとの識別が紛らわしくなります。
足の色や長さ、嘴の形状も識別点ですが、頭頂も識別点に使えます。
シロチドリは頭頂が平たく、メダイチドリは丸味が強い。
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1枚目左の幼鳥 拡大画像 2007.09.22
肩羽にうっすらとサブターミナルバンドが残る羽があります。
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1枚目右の成鳥冬羽 拡大画像 2007.09.04

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成鳥冬羽 2008.09.26
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成鳥冬羽 2008.09.26
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成鳥冬羽 2012.09.14
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成鳥冬羽 2013.09.16
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成鳥冬羽 2012.09.16
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成鳥冬羽 2015.09.19
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成鳥冬羽 2015.09.19
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成鳥冬羽 2015.09.19

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