不明シギ


2009.09.17 PM5:30 海岸堤防から1羽の謎シギを発見。

トウネンが約10羽、メダイチドリが3羽、ハマシギが5羽、ダイゼン1羽が
浜辺で一群をなしていました。

その群れ中で毛づくろいしてる暗色味の強いシギ(そう見えた)。
トウネンより大きくハマシギより少し小さい。

水際までの距離は約50m、フィールドスコープで見てもなにものか分かりません。
これは撮っておかなくてはと堤防を降り浜辺に出ました。

約30mほどの距離から双眼鏡で再度確認しました。
脇から腹にかけて黒斑があるよう、V斑に見える、すんなりした体型でなくずんぐり型。
ウズラシギの夏羽から冬羽に換羽途上では?。

だが、どこかおかしい。ウズラシギの嘴ではありません。
ウズラシギの嘴にしては長すぎるし先端も細すぎます。頭頂に赤茶色味もありません。
摩耗したこの時期のウズラシギでも頭部に少しは赤茶色が残るだろう。

ウズラシギではない。ではアメリカウズラシギか?。
アメリカウズラシギにしても嘴が長すぎるようだし基部に赤みもなく先端まで黒い。

アメリカウズラシギの成鳥は未見ですがピンと来るものがありません。
ウズラシギやアメリカウズラシギでは眉斑がもう少しはっきり出てもよさそう。
眉斑がないともいえる顔つきがこのシギをいっそう迷路に追い込みました。

ヒメウズラシギでは体が大きすぎます。
あれやこれやと頭の中を駆け巡るがぴったりくるものがありません。

夕刻の鳥見で時間もないので撮れるだけ撮って後は帰ってからに。
明かりの足らない夕刻で動きのある写真は撮れません。
30枚ほど撮ったところで諦めました。

同定できないシギ。シギに興味を持った当初は日常茶飯事でしたが。
この2年間近距離でシギを見れて種の識別さえままならないというのはなかった。

種の判断もできなければ、成・幼の判断も自信が持てません。
上面の各羽に摩耗もなく羽縁がはっきり出て比較的綺麗な羽は一見幼羽のように見えます。
幼羽と読むのが合っていると思っても頭の中を待てよという声が聞こえてきます。

胸の縦班、脇から腹に点在する褐色斑、暗色ぽい下面は
幼鳥のものでなく成鳥のもののようにも思えます。
ウズラシギ幼羽やアメリカウズラシギ幼羽なら、
下面の褐色斑はないだろうし胸はもっと明るい感じになるはずです。

下面をみれば成鳥羽のよう、上面をみれば幼羽のよう。
肩羽にほんの数枚灰色ぽい羽が出ています。
この羽を新羽(冬羽)とみれば幼鳥から第1回冬羽となります。

種はウズラ系だと思いますがそれ以上は??

ウズラシギ、アメリカウズラシギ、ヒメウズラシギ、コシジロウズラシギ、
いろいろと考えてみたが自身で結論が出せません。

愛用の「シギチハンドブック」の著者氏原様にお尋ねいたしました。
ご意見はとても納得できるものでした。詳細な解説をいただきとても勉強になりました。

「部分的な特徴は合致していてもどのシギにも当てはまらず、雑種であろうということで、
両親の特定はできなくても、貴重な雑種ということで一応の結論としました。 」


撮影:2009.09.17 松阪市五主海岸
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謎シギ 2009.09.17
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