5月のセイタカシギ

夏の終わりから初秋にかけて当地に飛来するファミリーは
2009年までは多くて3家族でした。
セイタカシギは家族単位の縄張りを基本的に持ちます。

越冬していたセイタカシギが4月下旬から5月初めに繁殖場所を探しに当地を離れ、
7月下旬から8月初旬に子供を連れて移動してきます。

5月から7月迄は当地でセイタカシギを見るのは稀です。
特に繁殖期の3ヶ月間は♂成鳥を見ることはまずありません。

5月中・下旬にセイタカシギを見ることがあれば、昨年生まれの若鳥だけです。
2005年からの5年間で例外は2005年5月27日に飛来した2羽のうち1羽の♀成鳥だけでした。

6月下旬になると育雛の途中で家族を放棄してきたと思われる♀親が稀に飛来します。
♀親の半分は育雛の途中で♂親と雛を残して去ってしまうらしい。

♀親の育雛の放棄、家族の放棄は孵化後、平均21日目に起こるということなので
6月下旬頃、成鳥♀が単独で現れるのも納得できます(参考:日本動物大百科)

当地から繁殖のためセイタカシギ家族の姿が消えた日を拾い出してみると
2005年が5月5日、2006年は不明、2007年は5月1日、
2008年は当地で繁殖、抱卵に入り、5月下旬まで滞在(繁殖失敗で5月27日には姿なし)
2009年は4月27日でした。(なお日付は私が確認した日です)

追記
2011年からは松阪市曽原大池で営巣するようになりました。
同じつがいが繁殖に失敗するたびに新たに巣を作り産卵を繰り返しました。

2012年は3つがいで3巣、2013年は1つがいで2巣
2014年は3つがいで10巣。2015年は4つがいで11巣。

2009年まで稀にしか見られなかった5月から7月のセイタカシギも
2011年から営巣するようになり年中見られるようになりました。

当地におけるセイタカシギは2012年から増加傾向にあります。
繁殖期が終わった8月の飛来数も増え30数羽を数えるようになり
2014年〜2015年は越冬数も10羽を超えました。

撮影: 2008.05.20−2009.05.11 松阪市
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♀成鳥夏羽 2008.05.20(当地で繁殖失敗した♀)
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♂成鳥夏羽 2008.05.20(当地で繁殖失敗した♂)

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第1回夏羽 左:♀ 右:♂ 2009.05.11
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♂第1回夏羽 2009.05.11
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♀第1回夏羽 2009.05.11