イソシギ ?個体(1) 淡ピンク味のある嘴をした?イソシギ

嘴の3分の2程まで淡いピンク色のイソシギ、
足も通常のイソシギのような鈍い黄緑色とは違い黄色味が強い。
過去多くのイソシギを観察してきましたが、
このような嘴の色の個体は初めての出会いでした。

このような個体もいるのだろうと簡単に個体差で済ませてはいけないものを感じさせる。

イソシギは繁殖期をのぞいて当地でも数多いシギ。
近郊でも繁殖しているはずですが巣も雛も探し出せないでいます。

近郊にいる大部分のイソシギは留鳥ではなく国内で繁殖する個体が
繁殖の終わった6月下旬ごろ当地に移動して来ると思われます。
日本ではおもに本州以北で繁殖し、北によるほど繁殖数が増します。

この嘴の変わった?イソシギ、フィールドでアメリカイソシギが頭をよぎりました。
だがアメリカイソシギの特徴と合致しない。イソシギの繁殖羽(夏羽)なのでしょう。

参考に「シギ・チドリ類ハンドブック」に記載されているアメリカイソシギの特徴を列記してみると
@イソシギより尾羽が短い。
A上面は灰色味が強い。
B嘴は基部の淡色と先端の黒色の対比が明瞭。
C翼上面の白帯は狭い。
D夏羽は下面に特徴的な黒丸斑がある。
E嘴、足がピンク・橙色味を帯びる。

列挙した6つの特徴と照らし合わせてみると、
@は尾羽が短いように見えない。
Aは灰色味が強いとうより上面は淡く明るい雰囲気がある。
Bは対比が明瞭のように思える。近いかも。
Cは白帯は狭くはない
Dは黒丸斑はない。
Eは合致するかも。

これではどう無理してもアメリカイソシギにならないです。
アメリカイソシギの血が少し混じってる?・・・これもないでしょうね。
イソシギの変わり者・はみ出し者・個体差 すべて?がつく。
日本産鳥類目録第6版ではイソシギの亜種の分類はしていない。認められていない。

今回のイソシギについてとても参考になるご意見を読ませていただきましたので、
投稿記事を拝借させてもらいます。

「今回のタイプが国内で撮影されている映像を私も見たことはありませんが、
Shorebird,collins-Bird Guide,The Slater's Australian Birdなどに掲載されている図版に
酷似したものがあるので参考にして頂けたらと思います。
また、国内や北米で観察されている繁殖羽とは明らかに異なるので
ヨーロッパヘ渡る亜種?が迷行した可能性もあるのではとも想像させる大変興味ある映像だと思います。」

早速、Shorebird,collins-Bird Guide,The Slater's Australian Birdを注文しました。
The Slater's Australian Birdのほうだけ今日着いたので、
掲載されている図版と照らし合わせていますがとても酷似しています。

「ヨーロッパヘ渡る亜種?が迷行した可能性」納得できるものがあります。

撮影: 2009.06.27-2009.06.29  松阪市
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