セイタカシギ 繁殖 松阪市曽原大池(2014年)

2014年の曽原大池では3組のつがいが5月初旬から居続け営巣・産卵を繰り返しました。
成鳥×成鳥の組み合わせが2組、若鳥×若鳥の組み合わせが1組です。

成鳥同士の2組のつがいの内、
1組は1ヵ月の間に少しづつ場所を変え6度も営巣し産卵しました。
卵を何者かに捕食されたのが4度、水没で2度繁殖に失敗しています。

もう一組も3度営巣し産卵しましたが、一度目は蛇に卵を食われ
2度目も何者かの餌食になった。蛇と思われるが捕食者を確認できていません。
3度目は雨による水位の上昇で巣が水没しました。

1年目の若鳥同士の一組も産卵途上で水没により繁殖に失敗しましたが
2度目の産卵は行わなかった。

体が十分に成熟していない若鳥同士の組み合わせでは
2度の産卵は無理なのであろうと考えられます。

3組のつがいが合わせて10度も営巣・産卵しましたが一度も成功しなかった。
セイタカシギの繁殖成功がいかに難しいかが推し量れます。

なお、曽原大池における捕食者は蛇であるとほぼ断定してもいいようです。
蛇が巣を襲い卵を捕食する瞬間を3巣で撮影できています。

なお、繁殖期が終わった7月に25羽のセイタカシギが曽原大池に飛来しましたが
成鳥17羽と若鳥4羽、幼鳥4羽で、性別は♂が11羽で♀が10羽でした。

10組ものつがいと思われる成鳥雌雄がいて、子供連れが一組でした。
このことからもセイタカシギの繁殖成功率はかなり低いと推測できます。

2014年秋の最大飛来数は38羽でした。繁殖成功率は低いですが
当地に飛来するセイタカシギが増加傾向にあるのも確かなようです。


2014年の繁殖 3つがい(A・B・C)

 月   日  池  観察記録 
 Aつがい 雌雄とも成鳥     
 5  13  南池  4卵を確認  
   14  南池  何者かに捕食され繁殖失敗(蛇と思われる)  
   22  南池  同池の別地点で2度目の営巣、2卵確認  
   23  南池  何者かに捕食され繁殖失敗(蛇と思われる)  
   24  南池  別地点で3度目の営巣、1卵を確認も蛇に捕食された  
   30  南池  別地点で4度目の営巣、3卵を確認  
 6  5  南池  増水で巣が水没、繁殖失敗  
   10  南池  別地点で5度目の営巣、1卵を確認  
   12  南池  捕食され繁殖失敗  
   20  北池  池を変え6度目の営巣、4卵を確認  
 7  4  北池  増水で巣が水没、繁殖失敗  
Bつがい 雌雄とも成鳥
 5  23 南池  営巣を始める、1卵を確認  
   24 南池  蛇に捕食された、繁殖失敗  
 6  3 水路  営巣場所を水路に変えた、4卵を確認  
   14 水路  蛇に捕食され繁殖失敗  
   24 北池  場所を北池に変え営巣を始めた、3卵を確認  
   25 北池  増水で巣が水没、繁殖失敗  
Cつがい 雌雄とも若鳥    
 6  10 南池  営巣を始める。1卵を確認  
   12 南池  卵がなくなっていた(増水による水没)、繁殖失敗  


撮影: 2011.05.07-2011.05.12
1
Aつがい 2014.05.24 蛇に卵を捕食される。
2
               Bつがい 2014.05.24 蛇に卵を捕食される。

♂親に飛びかかる。蛇が写っています。分かるかなー
Aつがいの巣の卵を(1個))捕食した蛇が、続けてBつがいの巣に向かい
Bつがいの卵も捕食した。前日、卵を1個確認しているが
当日2個になっていたかどうかは確認できていない。
3
Cつがい 2014.06.10 雌雄とも昨年生まれの若鳥
♂の次列風切先端が白いことで昨年生まれの若鳥であると分かる
4
               Cつがい 2014.06.19
♀も次列風切先端が白いことから昨年生まれの若鳥と証明出来る。
繁殖に失敗したとは言え若鳥同士の組み合わせは初めてでした。
5
             Aつがい 2014.06.20
南池で抱卵する♂親の横を親鳥に引率されたカルガモの雛たちが通り過ぎました。
のどかな光景にこれまで5度、繁殖失敗したセイタカシギ親鳥は
羨ましく思ったことでしょう。

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