オオハシシギ 2010年の越冬 成鳥と幼鳥

2009年12月15日から2010年4月10日まで伊勢市で越冬した成鳥と幼鳥です。

オオハシシギの第1回夏羽と成鳥夏羽を識別するのは換羽中も含めとても難しい。
12月から観察できた成鳥と幼鳥2個体であるから分かるだけで、
越冬個体でなければ第1回夏羽なのか成鳥夏羽なのか判断は出来なかったと思う。

当2個体は2月2日から3月19日まで約1ヵ月半の間は
遠距離だったり逆光だったりで撮影ができず、3月20日に撮った画像を見ても
幼羽が見える形で残っていなくてどちらが成鳥でどちらが若鳥か迷いました。

第1回夏羽の換羽も成鳥と同じように雨覆や三列風切の多くを
夏羽に換羽するので成鳥と若鳥の識別が難しくなります。

個体識別を羽衣に頼ることが出来なければ他の識別できる部位を探さなければならない。
上面の羽衣から有効な識別点を見いだせないことから下面を意識しました。
胸から脇の横斑、下尾筒にかけての黒色斑、尾羽の模様で個体識別しました。

第1回冬羽と成鳥冬羽の識別を胸から下尾筒までの斑で見るのも有効かも知れない。

当2個体に限れば成鳥冬羽の方が幼鳥より下腹から下尾筒にかけての褐色斑が大きい。
観察例が少ないので確証はありません。個体差かも知れません。

気がついた点をもう一つ。
1枚目の画像で左の成鳥と右の幼鳥(第1回冬羽)の足色の違いが目立ちます。
左の個体は黄色味がありいかにも成鳥らしい。
右の個体はいかにも幼鳥であるというくすんだ暗緑色をしています。

成鳥と幼鳥の足色の違いを意識したことはこれまでなかったのですが。
足色に変異があるのか、成鳥と幼鳥の差なのかそれとも単なる個体差なのか
今後、オオハシシギを見ていくうえでの注意点となります。

2009.12.15-2010.04.10 伊勢市
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幼羽から第1回冬羽への換羽途上では、早い段階では肩羽に
黒色で赤褐色や白い羽縁のある幼羽が残っていることが多い。
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成鳥冬羽の上面は灰褐色で淡色の羽縁がある。↑
胸は灰褐色、脇に横斑がある。

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黒褐色で白い羽縁のある幼羽が肩羽に残っている。第1回冬羽↑



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成鳥冬羽は摩耗もなく全体が灰褐色に見える。
右の第1回冬羽は上面に幼羽が残っている。雨覆(幼羽)の擦れが目立ってきた。
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成鳥冬羽はまだ摩耗が目立たず。↑

↓の第1回冬羽は雨覆(幼羽)の擦れが目立ちだした。
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2010.01.03



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1月19日 第1回冬羽には肩羽にまだ黒い羽(幼羽)が残っている。
成鳥冬羽と第1回冬羽の判別はこの時点では容易だった。
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2010.01.19



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第1回冬羽が生え揃ってくると幼羽が探しづらくなってくる。
掲載の第1回冬羽は多くの画像の中から幼羽が見やすい写真を選んでいます。
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幼羽が肩羽に残っています(黒い羽)↓
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3月20日、左の成鳥は軸斑が黒く白い羽縁と
赤褐色の横斑模様のある夏羽が出てきました。

右の第1回冬羽はまだ夏羽が見当たらない。

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左の成鳥は下面(胸から脇)にも赤褐色味が出てきました。

右の第1回冬羽も
上面に黒褐色の羽と赤褐色の点状に見える斑(夏羽)が出てきました。
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2010.04.03



以下↓2010.04.10
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夏羽が目立ってきました。
当2個体では成鳥の方が夏羽の進みが早いです。
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左:第1回夏羽に換羽中  右:成鳥夏羽に換羽中  2010.04.10
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右手前:第1回夏羽に換羽中 奥:成鳥夏羽に換羽中  2010.04.10
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左奥:成鳥夏羽に換羽中 右手前:第1回夏羽に換羽中  2010.04.10
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左奥:成鳥夏羽に換羽中 右手前:第1回夏羽に換羽中 2010.04.10
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手前:第1回夏羽に換羽中 奥:成鳥夏羽に換羽中  2010.04.10
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成鳥 夏羽に換羽中 2010.04.10
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第1回夏羽に換羽中 2010.04.10
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成鳥 夏羽に換羽中 2010.04.10
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第1回夏羽に換羽中 2010.04.10

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