コチドリ 抱卵の不思議

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
卵の内部構造について [世界「鳥の卵」図鑑] 新樹社の本から↓抜粋。

「卵の主要な構造は卵黄、アルプミン(卵白)、殻である。
受精した卵細胞(そこから胚が形成される)は卵黄の上部表面にある。
卵黄は脂肪とタンパク質に富み、発生中の胚に必要な食料となる。
そして、回転して胚をいつも上にしておくことができる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上の記事を参考にすれば
抱卵時に卵を回転させているのは卵黄の一方へのかたよりを
なくすためと理解していいのかなと思う。

2009.06.06 抱卵中のコチドリの不思議な行動に出会いました。

4個あった卵の一個が巣から少し離れたところに転がっている。
「えっ、どうしたんだろう」一個だけ経過が悪く、抱卵をあきらめて
放棄するために巣から出したのかと思いました。
放り出した1個の卵に親鳥が全く関心がないように見えたからです。

30分ほど経ったころ抱卵中の親鳥がやおら巣から立ち上がり卵に歩み寄った。
卵を嘴で2・3度回転させ巣の方に運びそうでしたがそこまで。また、離れてしまう。

その後、30分ほど観察していたが親鳥の動きに変化がないので、
1時間ほど別場所に探鳥に行き戻ってくるとなんと卵は巣の中に戻してあるではないか。

巣にはちゃんと4個の卵が揃っている。一個巣外に転がっていた卵もない。
「しまった、観察を続けていればよかった」

なんのために一個だけ数時間も巣外に放り出し、
4個のうち3個だけ抱卵していたのか?卵の温度管理?

チドリ科の4種。コチドリ、イカルチドリ、シロチドリ、ケリは近郊で繁殖しています。
身近な4種の繁殖をじっくりと観察をしてみると分からないことも多い。

2009.06.06 4個の卵を抱卵中。
 1
卵が1個巣外に放り出してあった。抱卵中の親鳥は素知らぬ顔。
 2
30分ほど経過したころ巣から立ち上がり巣外の卵に近づく。
 3
卵の前で少し考える素振りをする。
 4
嘴で卵を転がし始めた。
 5
巣の方へ2・3度 転がしては見たが・・ 後ろは巣の卵を抱きにきた♂親。
 6
あきらめたように卵から離れた
 7
抱卵を交代した♂親も素知らぬ顔。
 8
両親が離れた隙に撮った4個の卵
 9
巣に戻ってきた親鳥は落ち着きなく。何度も座り直していた。
 10
 11
 12
 13
巣の中の3個の卵を回転させている。
 14
巣の中の3個の卵を回転させている。
 15
巣外の卵を眺めていたが行動は起こさず。
 16
卵を抱く時は足をひろげて胸から先に卵に接する。
 17
 18
1時間ほど観察を外した間に卵は巣の中に戻してあった。
戻すところを観察できなくて残念!
こうした行動はときどき行う行動なのか?

三重の野鳥 光昌のホーム