ダイゼン 雌雄 成鳥夏羽

ダイゼンは雌雄同色との固定観念があり
1枚目のB個体のような羽衣だと換羽中であろうと深く考えもしなかった。

3枚目の画像を見ると分かりますが
上面の多くがフレッシュな新羽に換羽しています。これは夏羽です。

下面の黒色部は褐色味を帯び、上面は黒斑も白斑も殆どありません。
ダイゼンの雌雄を始めて意識した日でした。

当個体が♀である確証を得るため手持ちの図鑑(国内)で探しましたが、
写真の掲載はなくネット検索でも探し出せない。
ネット上では当個体のような羽衣は換羽中の成鳥としてあげられています。

ただ、「日本の鳥550 水辺の鳥」に写真はなくても次のように書かれている。
♀夏羽は黒色部がやや褐色味がかり、白い羽毛が混在する。
体上面も♂ほど白色部が見られず尾羽の横斑は♂より細くてたくさんあると。

尾羽の横斑が雌雄でどれほどの違いがあるのか理解できていないので
雌雄の判別にまだ一抹の不安が残る。

「シギ・チドリ類ハンドブック」に♀の絵が描かれているが
全身でなく頭部・胸・背の前部分だけ。
当個体を♀成鳥夏羽と決めるには、あとひと押しが必要。

普段は使わない横文字の図鑑。
「Shorebirds of North America, Europe, and Asia」 ここに掲載されている♀を見て、
♀の成鳥夏羽であると確信を持つことができました。

珍種の発見はうれしいですが、珍種はいろいろなステージを見ることができません。
普通種の知らなかったことを知るのも珍種発見と同様な嬉しさがあります。

成鳥夏羽の雌雄が分かれば換羽中の雌雄の判別にも一歩前進出来るだろうし、
羽衣のよく似た普通種ムナグロの判別にも応用はきくだろうし。

判断がつきかねる。迷いがある。と言うのはよくあること、
それだけに小さな迷いが、ある日突然分かった時の喜びは大きいです。

撮影:2011.04.30 伊勢市
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左が♂成鳥夏羽(A個体)    右が♀成鳥夏羽(B個体) 2011.04.30
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左が♂成鳥夏羽    右が♀成鳥夏羽 2011.04.30
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♀成鳥夏羽 2011.04.30
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♀成鳥夏羽 2011.04.30
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♀成鳥夏羽 2011.04.30
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夏羽に換羽中の♂と思われる。 2011.04.30
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夏羽に換羽中の♂と思われる 2011.04.30


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♂成鳥夏羽 2011.04.30
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♂成鳥夏羽 2011.04.30
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♂成鳥夏羽 2011.04.30
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♂成鳥夏羽 2011.04.30
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♂成鳥夏羽   後は♀成鳥夏羽 2011.04.30
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♂成鳥夏羽 2011.04.30
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♂成鳥夏羽 2011.04.30

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